モビィ・ドール

yamasa62005-09-12

一番最近に読んだ本。熊谷達也って東北の話がほとんどだったけど、今回は珍しく伊豆諸島の御蔵島!うちの田舎にめっちゃ近いんですごい身近に感じますわ。

話の筋としては、イルカの観光で潤ってきた島の暮らしが、シャチの出現で脅かされたら…ってことを、動物行動学者の主人公(これも珍しく女性)の目から描いている感じ。

うーん、イルカもシャチも保護を必要とすることに変わりはないんだけど、島の人は生活がかかってるからシャチを駆除したくなるよね。イルカウォッチングとか、自然を生かした産業でも人間のエゴは消えない。毎回ながら、生態や行動をよく調べてあるな〜と感心してしまいました。

でも、一番かっこよかったのは元捕鯨船に乗ってた岡田さんのお言葉。

保護団体の人たちは生物多様性ということをよく言うだろ。
だがよ、人間の価値観の多様性もあったっていいんじゃないかと、そう思うわけさね。
考えの違う人間がどうやって仲良くしていくかってことに、もっと知恵を使ったほうがいいと、おれは思うがの。