流浪の民

ジプシーの謎 (「知の再発見」双書)

ジプシーの謎 (「知の再発見」双書)

初めてヨーロッパに姿を現したのは15世紀のことだった。
伯爵と名乗る男に率いられた一群の人々はみずから「小エジプト」からやってきたと語り、神聖ローマ皇帝の書状を持っていたために街の人々にもてなされた。

というジプシー(今はロマと言うそうです)の文化と歴史を記した本。本当はインドからやってきた音楽の民らしい。
ユダヤ人のような独特の宗教を持たず、言葉と文化(音楽、ダンス、占いなど)によってアイデンティティを保つ漂泊の民族。
ヨーロッパの歴史の中である時はもてなされ、ある時は定住を強いられ、ある時は排斥された歴史を初めて知りました。
特にナチスによってアウシュヴィッツなどの収容所に送られ、虐殺が行われていたことは驚きました。
知らなかっただけなのか、知らされないのかわからないけど。
日本にも木地師やサンカといった非定住の民がいたらしいけど、なかなか歴史に残っていないので逆に興味深い。
木地師天皇より全国の入山許可証をもらったと言うし、サンカは警察にマークされていたりとロマとの共通点は多い。
その内、三角寛宮本常一の著書も読んでみたいと思います。