虫屋の世界

図書館で借りてきて読みました。

ゲッチョ昆虫記―新種はこうして見つけよう

ゲッチョ昆虫記―新種はこうして見つけよう

著者は僕に取っては冬虫夏草の人、というイメージでしたが、生き物はなんでも好きなようで、今回の本のテーマは虫と新種。といっても、本文内で述べられているように、あくまで興味の中心は虫そのものというよりも虫と人とのかかわりにあるようです。
最初の方では虫屋と呼ばれる「良い虫」を取る事にかける人々、最後の方では昆虫分類学の研究者(テーマと所属からしておそらく断虫亭さん?)との交流を描いています。そして、中盤では岩崎卓爾の人生に大きな部分を割いています。
今まで寡聞にして知らなかったんですが、イワサキセダカヘビという和名の由来になったのもこの岩崎卓爾氏だそうです(参照:うぃきぺでぃあ)。彼は気象測定のために石垣島に来たものの、妻子を仙台に残してその生涯を島で過ごした奇特な方で、多くの虫にその名を残しているらしい。他にも将来を嘱望された昆虫少年であった江崎博士や、自称「世界一の昆虫学者」松村松年など、日本の虫屋の歴史の厚みを思い知ることになりました。
あ、虫についても、著者が沖縄に移住したため、外洋で生活するウミアメンボや、浜辺の新種ハネカクシなどを採集する話があっておもしろかったです。一度は沖縄に行ってみたいものです。


それから、昔いた研究室の人が解説してました。こちらのニュース