読みました。百鬼夜行シリーズ長編第8弾。

文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)

文庫版 陰摩羅鬼の瑕 (講談社文庫)

新婚初夜に花嫁が殺される事件が四度続いた伯爵家では、五度目の花嫁を娶ろうとしていたが…という話。
今回の蘊蓄メインは儒教林羅山)とハイデッガー
やはり、「塗仏」以前と以後で分かれているのか、今までとはだいぶ変わった印象を受けました。
すぐに犯人がわかってしまうし。
蘊蓄も妖怪話もやや弱くて、分量的には多くても内容的には中編のような感じ。
ま、小説としては楽しめましたが。
ところで、作中の儒学者にして博物学者(とくに鳥類学)の「由良伯爵家」は黒田侯爵家か、山階侯爵がモデルか?と思ったら、華族の鳥類学者は他にも、鷹司信輔公爵・蜂須賀正氏侯爵・清棲幸保伯爵・松平頼孝子爵などがいたらしい(うぃきぺでぃあ情報)。その内、以下の本も読んでみたいと思います。
殿様生物学の系譜 (朝日選書)

殿様生物学の系譜 (朝日選書)