李陵・山月記

yamasa62005-09-19

国語の授業の時間に読まされたもののなかでも、不思議に心に残るものってあると思います。
例えば、枕草子。教科書で学ぶまで、「春は曙」って「春場所は曙が強い」という意味にとってた人は僕のほかにもいるはず(笑)
例えば、赤い実はじけた。うちの中学では隠喩として用いられてました。以下、その用例。
A「そういえば最近BのやつがCちゃんに赤い実はじけたらしいよ」
D「まじか!」
とかね。
そんな中でもこの山月記はかなり好き。内容は、昔の中国で役人をやめて詩人を志した男が、うまくいかないためにおかしくなって虎になっちゃうという筋なんだけど、文章がすごいきれいです。もともと自分が漢文好きということもあるのかもしれないけど、透明感のある文章で、月明かりの中の幻想的で、水底のような雰囲気をかもし出してる。
この文庫には、他にも三つの話が入っていて、それぞれの味が違っておもしろかった〜
名人伝」弓の名人を志した紀昌が、ついに仙人みたいな名人になるまでのお話。
「弟子」孔子の弟子、子路の弟子入りから死まで。
「李陵」北方の匈奴を討ちに行って捕らえられた将軍李陵の苦悩と、歴史家司馬遷の物語。