実験生態学

シャーレを覗けば地球が見える (シリーズ 共生の生態学)

シャーレを覗けば地球が見える (シリーズ 共生の生態学)

野外の群集生態学について読んだときは、全体的にぐしゃっとしていて、わかりにくい印象が残ったのだけど、この本のように室内で環境と生物の条件を単純化し、整えて行う実験はわかりやすい。1章で言ったら、

  • 資源=アズキやリョクトウ
  • 植食者=マメゾウムシ
  • 捕食者=寄生蜂

で、どのような条件で共生できるか、とか。近縁種でも、組み合わせによってすぐ崩壊する系や、数百日持続する系などに分かれる。直感とはかけ離れたような結果が出てくることがあるのも、数理生態学でモデルを立てるのに似てる。


普段なんとなく感じているより、生物が共存するって大変なことですね。一種だけ異常に増えたり、一気に絶滅したり。生態系が安定することと、生物の形質がより多く子孫を残せるものだけ残ってきたこととは違うし。
シャーレの実験の話を聞いた後では、前にも増して地球上にこんな多様な生物が生きているのが不思議に思えてきました。