NO BORDER!

鳥たちの旅―渡り鳥の衛星追跡 (NHKブックス)

渡り鳥に発信機を着け、衛星で追跡することで渡り（＝季節的な大移動。全世界で数億の個体が毎年移動している？）の謎を解く。今までツル類、ハクチョウ類、猛禽類など大型〜中型の種類で試みがなされているようです。
日本で見られる鳥の多くは夏鳥・冬鳥・旅鳥なんかの区分けがあります。今までそんなに深く考えたことがなかったのだけど、日本にいない時期はフィリピンやシベリアといった地域で冬鳥・夏鳥になっているんですね。ほんと当然なんだけど、鳥には国境なんて関係ないんですね。外国まで自分の翼で毎年行って帰ってくる鳥はすごいやつらです。
途中で引き返すものや大きく迂回するものなど、いろいろ面白い話がありますが、一番心に残ったのは、朝鮮半島の非武装地帯が鳥たちの渡りの一大中継地になっていること。戦争が生んだ離別の傷跡が、皮肉にも鳥の楽園になっている。やはり開発が制限されていることで、板門店や鉄原などの地域に多くの鳥が集まるようです。国境を越えて生きる鳥たちが、今後も生きていける環境を残していけたらな〜と思いました。