アタマがズツウだ。

そういえば、高校の世界史の時間に違和感を覚えたことがある。
フン族ローマ帝国侵攻。
異民族間での衝突で勝つのはだいたいヨーロッパ系民族だったから、なにかおかしいと感じたのだと思う。
世界史というのも、結局は勝者であるヨーロッパ系民族から見た歴史であって、僕たちはヨーロッパの王国の興亡にはとても詳しくなるけど、トンガやアステカの帝国には全くの無知だ。
考えてみれば、10数万年前にアフリカを出るまでは1つの集団であって、現在でも1種のHomo sapiensという生物に分類される人類が、これほどまでに多様な社会を築くようになったのは驚異的なことだと思う。

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

この著者は人類の社会の多様性と、そして

なぜヨーロッパ人がアメリカ先住民を征服したのであって、アメリカ人がヨーロッパ先住民を征服したということにならなかったのか

といった、社会間の非対称性を、人類が放散したそれぞれの土地の環境の多様性に求めている。上巻ではおおよそ穀物・家畜・大陸のカタチ」といった内容。なかなかおもしろいので、下巻も期待です。