シカ
とりあえず卒論に向けて英語で論文を読んでいます。
そんな中で日本語を読むと癒されます。
- 作者: 湯本貴和,松田裕之
- 出版社/メーカー: 文一総合出版
- 発売日: 2006/03
- メディア: 単行本
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どうやら、
- 拡大造林、林道の整備、狩猟圧の減少、山村の過疎化などなど
が原因となって全国の森でシカが増えていて、
- 林床植生の単純化、森林更新の阻害、土壌流亡、樹皮剥ぎによる木の枯死
なんかが起こっているようです。
大台ケ原では鬱蒼とした森林がササ原に、屋久島では貴重な植物が絶滅の危機にさらされるなど、不可逆的な変化が心配されている。管理のためには、限られた情報の中からモデルなどで仮説を立て、合意を形成して管理をしながら、その結果を計画にフィードバックしていくことが重要だそうです。
自然って、そのイメージほど静的で安定しているわけではないということが印象づけられました。
その生物の間の相互作用から起こる複雑な現象も、住民と行政と研究者との意見をすり合わせてく管理もとても難しいながら、日本の森に起こっている、人間が引き起こした(と考えられる)不可逆的な変化を食い止めることに対する著者たちの熱意が感じられました。
が、個人的には結局どんな自然の姿を理想とするのか、ということに関して少し疑問を感じた。それは保全生態学に接するときにいつも感じることなのだけど。