ココシリ

yamasa62006-06-20

見てきました。
ハードボイルドというか、骨太な作品。
チベットカモシカの密猟についてはこの日を参照。
秘境という言葉がふさわしい、広漠なココシリの風景がすごくいい。
満天の星空を見上げながらの、

お前が今踏んでいる大地は、人類未踏の場所かもしれないんだ。

という台詞にやられました。
そして、ココシリにひきつけられるチベット人の男たちがかっこいい。



誰もいない荒野の中で、なすすべもなく流砂に飲み込まれていくシーンはこわすぎです。髪の毛すら消えた後の静寂がとくに。
海抜5000メートルという苦しさや、点滴を打ちながら撮影したという川の冷たさがちょっと伝わりにくかったかもしれない。
また、リータイという隊長がそこまでカモシカ(というかココシリ?)にこだわる理由がいまいちわからなかった。
民間のパトロール隊は1年間無給で働いていたというし、首謀者を追い詰めることにこだわるあまりパトロール隊は犠牲者を出しながらバラバラになっていく。
「人よりカモシカが大事なのか?」
と聞いた密猟の首謀者の言葉は重い。
そういうことを言い出したら、本来1時間28分の枠には収まりきらない映画なのだろう。
草原が沙漠になって牧畜が続けられなくなった、という密猟グループの老人の言葉も気になる。確かに毛皮の取引を禁止するだけでは解決しない問題なのかもしれない。
最近見た映画の中では(あまりたくさん見てないけど)、かなりのヒットでした。



今日の画像は二年後にある北京オリンピックのマスコット。右から二番目がチベットカモシカだそうです。へえ。