ぴかれすく

三島に続いて、高木。

白昼の死角 (光文社文庫)

白昼の死角 (光文社文庫)

今回はより純粋な犯罪小説。手形取引に若干詳しくなれます(笑)
太陽クラブと社長の破滅はかなり初期にやってきて、それから二番手だった鶴岡七郎の縦横無尽な活躍が始まる。
大手企業の東京支店を作り出して二時間で消滅させたり、刑事が取り囲む店から取引相手に一銭も与えずに脱出したり、大使館の中に幽霊をつくりだしたり。
知能犯の技術の粋をつくした詐欺は時に芸術的。それでも悪ですが。
光クラブ事件とは別に、鶴岡にモデルがいたというのはちょっと驚きでした。戦後の混乱期とはいえ、こんなことほんとに実行した人間がいるんだ。
デスノートに感嘆した人はおすすめです。さながら鶴岡=キラ、福永検事=L。
800頁を超える分厚さを飽きさせないおもしろい小説でした。