Minimalism

愛について語るときに我々の語ること (村上春樹翻訳ライブラリー)

愛について語るときに我々の語ること (村上春樹翻訳ライブラリー)

大聖堂に続き、二冊目のカーヴァー。
転換期の作品、と評されるだけあって、大聖堂のような安定感に欠けるか。
離婚、アル中といった人生の袋小路的状況を描かせたら、カーヴァーの右に出るものはいないのだろう。
特に、
「私の父が死んだ三番目の理由」
「足もとに流れる深い川」
「出かけるって女たちに言ってくるよ」
と表題作あたりが良い。
なんとなく、海辺のカフカ

「人生なんてどう転んでもクソみたいなものなんだ」と青年は思った。小さいときはそれを知らなかっただけなのだ。

なんて言葉を思い出しました。