読書の秋

植物のかたち―その適応的意義を探る (生態学ライブラリー)

植物のかたち―その適応的意義を探る (生態学ライブラリー)

私は子どもの頃、生き物が好きでもなんでもなかった。

という、生態学では滅多にない書き出しで始まるおもしろい本です。
内容は、酒井先生の大学生時代からPD時代までのエッセイと、修士・PD時代の二本の論文の中身と進化生態学の解説を合わせたような感じ。シリーズものの一冊なんだけど、明らかに他にはないぶっちゃけた感想と笑えるエピソードがかなり入っています。と同時に、研究の記載も本格的で、一つはカエデ属の稚樹の分枝伸長様式、一つは草の形の多様性の進化に関する理論的解析。受光量=FaX/(D/F+aX)と、潜在的光合成速度=[cL/(1+bL)]*e^f/F(1+DH)の積を比べることで、草の形がある程度説明できるらしい(笑)。
数式とか、アレルギー持ちの僕にはあれでしたが、研究の進め方や進路選択などは大学3年生という時期に読んでかなり参考になった、と思います。動物でこういう進化生態の研究がしたいなぁ。
現在の日記もなかなかおもしろいっすね。↓もきっと卒論を書く前には読ませていただきます。
これから論文を書く若者のために