短編集

を読むのが、好きです。
そこにはだいたいの場合、自由で突飛なイメージの乱舞があり、長編にありがちの矛盾や退屈がないから。
だから、村上春樹の「カンガルー日和」や、ミヒャエルエンデの「鏡の中の鏡」なんて、かなり好きだった。
で、先日隣町の古本屋*1でたまたま見つけて読んだのがこれ。

溺レる (文春文庫)

溺レる (文春文庫)

川上弘美は、以前ある成り行きで「椰子・椰子」を読んだことがありました。独特の雰囲気をかもしだす人だなーと思った覚えがありましたが、今回も、すごかった。
不倫や駆け落ちや心中といったストーリーなのに、現実感というか、深刻さみたいなものがない。それでいて奇妙でユニークな擬音語や台詞やイメージが、豊かな世界を築いてる感じ。
うまく伝えられないのは、やっぱり彼女の文章だけが伝えられるものがあるからだろう、なんてことを考えてしまった。うんまあ、僕の文章力が足りないのがメインですが。



あ、長編を読むのももちろん好きです。いちおう。

*1:Book ○ffではない、ビレッジバンガードみたいな変な店