鳥マニアと鳥オタクってどう違うの?

図書館で目にとまったので読んでみました。

身近な鳥、希少な鳥の保全、渡り、興味深い生態、標本と文献など、幅広い話題を一般向けに書いた本。
山階鳥研は鳥の標本や文献を集めたり、鳥の足に金属の標識をつけるバンディングといった研究を行っている民間の研究所です。
が、最近ではバンディングを疑問視する運動の標的になっているようです。
animal welfare(動物の福祉)や動物園のenrichmentが話題になったりする時代なので、鳥研もこれまで以上に結果を出して評価されることと、意義を広く周知されることを目指さなくてはならないんでしょう。標識調査はたしかに鳥にストレスを与えるけど、それ以上にやる価値があるものだということとか。
そういった意味で読みやすいこの本の出版はがんばってる感を感じます。



基本的にNPOや調査機関って閉鎖的になりやすく、外から見るとなにをやってるんだかわからないという状況が多い気がします。
特に自然保護団体なんかはもともと自然が好きな人が多く、好きなことをやってるマニアな人たちと見られがちだったり…。
環境問題のなかでも生物多様性の損失って、どうして重要なのか意義がわかりづらいですよね。都市に住んでれば身近でないことが多いし。
正直遠い島の知らない鳥がいくら絶滅しようがどうでもいい、って思ってる人はたくさんいるだろうし、僕自身学科でやってることの意義が法学部の友人に理解されなかったり、という経験もあります。
そういう「内」と「外」が乖離しやすい状況をなんとかするために、研究所やNPOの広報はがんばっていく余地が大きく残されている、なんてことを感じました。
まずは自分が身近な人に伝えられるようにならなきゃいけないんでしょうが。