種の均一性により機能が維持される

最近のNature
複数種の脱窒菌をマイクロコズムに入れ、ストレス環境下(低温、塩分)とコントロールの3状態でその機能(脱窒)を測った。
その際、初期状態の種の均一性(相対的なabundance)を変化させて、単一種が優占しているマイクロコズム、どの種も均等にいるマイクロコズムなど、さまざまなセッティングで比較した。
ちなみに、均一性はローレンツ曲線とジニ係数で表現されている。
これって普通は所得の偏りとかに使うと思うんですが、生態学で使ってるのを見たのは初めて。
機能を目的変数に、線形モデルでAICによりモデル選択したところ、ストレスと均一性の相互作用がきいていた。
つまり、コントロールではどの種でもよく活動できるし、低温ストレスではどの種でも活動できなくなる。
しかし、塩分ストレスは選択的な状況で、初期群集に含まれる一部の種ならばわりと活動することができる。
そのような状況では最初の均一性が低いと機能が低く、高いと機能も高くなる。
種多様性と生態系機能の関係はよく指摘されるが、均一性を実証したのはあまりないのかも。
均一性が低いと塩分ストレスに強い種の初期個体数が少ない可能性が高くなるということですか。
そうすると均一性が低くても塩分ストレスに強い種がじゅうぶんいる時、ていうのは機能も高くなるはずでは…