適応放散が生態系機能に影響する

GW中は流石に学校全体が静かです。
先週のNature
カナダの湖に生息するトゲウオには祖先的なジェネラリストと派生的なスペシャリストの底生種・沖帯域種が存在する。適応放散・種分化が生態系機能へ及ぼす影響を調べるため、初期条件とトゲウオのバイオマスを揃えたメソコスムで、

  1. ジェネラリストのみ
  2. 底生種のみ
  3. 沖帯域種のみ
  4. 底生種・沖帯域種

の4通りの組み合わせで10週間の実験を行った。その結果、トゲウオの餌となる底生生物・プランクトンの組成・一次生産量に大きな違いが見出された。DOC(溶存有機炭素)の量も異なり、その結果として水中に浸透する光のスペクトルも変化した。水中の光は種分化自体にも影響する要因であり(例えばSeehausen et al. 2008)、進化が生態系に影響を与え、それを受けて生態系が更に進化に影響を与えるようなフィードバックの存在も示唆された。