ESA

ペンシルバニア州ピッツバーグで開催された、アメリ生態学会ESA)に参加してきました。

会場のDavid L. Lawrence Convention Center。


今回は割と近場で、かつ同じ学科から行く人も多いので、コーネル大学の学生・ポスドクでバンを借りて行く事に。イサカからピッツバーグまでは五時間ほど。日曜日の朝に出かけて、金曜日の夜に帰ってくるというコースです。宿泊も、三人の学生・ポスドクヒルトンホテルに泊まることになりました。
今回の大会はおよそ3,000人が参加したとのことで、今まで参加した学会の中で最大規模でした。口頭発表が並行していくつも行われているため、予定を組んだり部屋を移動したりするのが大変です。以前参加したEvolutionでもありましたが、web上で聞きたい口頭発表をリストアップしてスケジュール表を作るサービスがあって、大変役に立ちました。
その他、思いつくままに特徴を挙げてみると、

  • 夕方にMixerというのがあって、テーマが近い人が集まれるようになっている。簡単な食事と、有料のお酒が置いてある部屋に集まって、旧交を温めたりする目的らしい。大学やクリスチャンのMixerもある。で、そこで集まった人で夕食に行ったり。例えば、僕は月曜の「ESA Aquatic Section Mixer」と「ESA Theoretical Ecology Section Mixer」に行って、昨年のスイスのサマースクールの友人と、昨年夏に日本に来てた院生に再会しました。
  • ワークショップは事前参加申し込みが必要。ものによってはお金もかかる。時系列データの状態空間/階層モデルによる解析・Ogleの階層ベイズモデルや、グラントの書き方のワークショップは魅力的だったのですが、今回はどこにも参加せず。
  • 1つのシンポジウムに5人〜9人くらい発表者がいる。企画者が院生ということはない。発表者でも、自分の発表が終わるとさっさと会場から出て行ってしまう…
  • フィールドトリップも多い。行かなかったけど。
  • Ecology・Oecologia・Ecology Lettersなどの編集者の会議がある。いかにIFを高くするか雑誌の質を高めるかについて話し合うらしい。
  • 日本の生態学会と異なり、ポスター発表の比重がそんなに大きくないと感じた。ポスターのボードが広く、ゆったり発表出来ます。そのためか、奇数番号と偶数番号で発表入れ替えということがなく、同じ時間帯に発表していると見に行けないのが難点。

  • 発表の質はいろいろ。
  • 保全外来種関係の話が多い。というか今回の大会のメインテーマが地球温暖化なので、それ関係の話が多い。
  • Educationというセッションがあって、結構発表数も多い。
  • 基本的に食事は出ない。
  • Evolutionと両方参加している人はあまりいないようだった。進化生態学のプレゼンスが低い。
  • メタ群集・微生物生態学・群集遺伝学の話が多かった。
  • 中国人が多い。日本人はそこそこ。北半球はフィールドワークシーズンであるのも関係あると思うけど。

今回も、例によって日本人で固まって食事に行ったり飲んだりということもしたのですが、日本人のプレゼンスが低いという話を聞きました。留学する人間が減っているという話は聞いていたけれど、アメリカで(ポスドク・常勤研究者も含め)研究をしている日本人も少ないように感じました。人数だけで見ると、日本生態学会は2,000人が参加するので、アメリカ:日本の人口比から見ればかなり多いと思うけど、実績で見るとどうなんだろうか、また、中国の生態学の今後の発展など、日本の生態学の行く末に思いを馳せてしみじみしました。


ちなみに、自分の発表は無事にポケモンで受けが取れたので満足しました。
ピッツバーグは、大リーグのパイレーツの本拠地ということで、フロリダ大の友人と見に行ってきました。シンシナティ・レッズとの一戦。


今回が95回大会でしたが、5年後の100回大会まで開催地と日にちが決まっております。こんな感じ。

来年のオースティンという街はなかなか良い場所のようです。テーマは、「Preserving and enhancing earth's life-support systems」だそうです。