カワウの森。

今日は実習で、普段バイトで行っている保護区で調査してきました。バイト先に大学の友達がいるって、なにかとても違和感を感じるものですね(^_^;)

カワウはこんな感じの鳥ですが、コロニーがだいぶ問題になっているらしい。上野の不忍池の島で繁殖してるのを見たことある人ならなんとなくわかると思いますが、

  • 鳴き声がうるさい
  • においがする
  • 糞が植物を枯らす
  • 漁業と競合して魚を食べる

ということのようです。個人的には、たまにせっかく食べた魚を吐き出す習性も勘弁です(苦笑)。つい30年ほど前まではかなり珍しい鳥だったようですが、現在では個体数もコロニーの数も相当増えているとか。話では、餌が豊富になると換羽期を除いて年中繁殖するし、ひとつがいが年2回ひなを巣立たせることもあるらしい。
ロジスティック方程式でいえば、dN/dt=rN(1-N/K)のrが変動するってことかな?Kが大きくなるとrも増えて、小さくなると減る、という正のフィードバック効果を持つ個体群ってすごく管理しづらいような気がするんですけど…。
今回の実習はカワウのコロニーの下と、対照区の植生調査を行って、森林の構造がどのように変化しているか調べようというものでした。実際行った感じ、見るからに全然違うんだけど。
いつもカワウが枝にとまっている木の下は糞で地面が白くなっていて、下草や低木はなし。あとで土壌動物を調べても、対照区にはかなりの種類と数がいたのに、そこから20mと離れていない場所ではトビムシ一匹いない状況。


実際問題で言えば、森林環境が多様化して、いい撹乱になる面もありそう。だけど、このまま増え続けられたら、、、と考えるとちょっと困りますね。
増えすぎと言えば、すでに大台ケ原や北海道ではシカが増えすぎて、食害がひどく、そこにしかない植生もダメージを受けていると聞きます。シカに関して言えば、明治以来、天敵であるオオカミがいなくなったせいもあると言われているし、適宜↓な感じで人間が狩猟で調節してやる必要があるようです。最近はシカ肉の需要をつくろう!という動きもあるようだし。
http://www.shikoku-np.co.jp/news/locality/200509/20050922000083.htm
カワウには特に天敵と思われるものはいないし、コロニーを追い出しても別の場所に分散するだけだし、不忍池でのように人口の棚の上に巣を定着させて、集中的に管理したほうがいいのかなとも思います。が、難しいな〜と思った日でした。