ここ最近読んだもの。

Bradshaw & Schemske 2003 Nature
ゴマノハグサ科ミゾホオズキ属の植物2種では、一遺伝子の変化で花の色が変わる。
その結果、送粉者(マルハナバチとハチドリ)の訪花頻度も変わるという話。
掛け合わせて色違いを作って、フィールドで訪花頻度を観測しています。
写真で見る限り花の形が変わってないから、そんなに変化したように見えないんですが…
昆虫と鳥類の視覚をやってる人の意見を聞いてみたいところです。


Hoekstra et al. 2006 Science
同様に、ネズミの毛色の変化が起こる話。
浜にいるネズミは隠蔽色のため、内地のネズミより毛色が白っぽい。
これはメラノコルチン受容体遺伝子の、受容体の機能を減少させる変異で説明できる。
浜と内地のF2では、口あたりの毛がきれいに分離してました。
別の場所の同じ毛色のネズミにはその変異が見られないので、収斂進化が異なったメカニズムで起きた例かも。
ところで、体の場所ごとに色の出具合が違うのはcis領域の変化のせいでしょうか?


Sutter et al. 2007 Science
人為選択によって生じた犬の体サイズには大きなばらつきがある。
この違いはインスリン様成長因子の遺伝子によって決まっている。
この遺伝子のまわりでは小型犬でheterozygosityが低くなってるし、大型ー小型のFSTもそこだけ高い。
おもにポルトガル・ウォーター・ドッグを使ったようです。
小さい犬の品種はほぼ同じhaplotypeを共有しているそうで、selective sweepだとか。
なんか、こういうの思い出しました。


家から駅に向かう夜道でコクワガタ(♂)を拾いました。
夏の名残。