頻度・密度依存選択と個体群動態

今日は昼間から研究室の花見でした。満開から散り始めたあたり。
明日は入学式。


2000年のNature
トカゲの個体群動態を10年に渡って調べた労作。
この個体群は個体数が2年周期で振動しており、高密度の年には喉が黄色のタイプ(K型)が少数で大型の子供を産むことで有利になる。一方、低密度の年には喉がオレンジ色のタイプ(r型)が小型の子供を多数産むことで有利になる。
実際、黄色には卵を重くする選択圧が、オレンジにはクラッチサイズを大きくする選択圧がかかっていた。また、オレンジから見て周囲にオレンジが多い時適応度が低くなり、周囲に黄色が多い時適応度が高くなった。更に、高密度では生存率が減少するが、大きい個体が少ない時には大きい卵が選択され、大きい個体が普通にいる時にはそのような選択勾配はなかった。
これらの要素(頻度依存と密度依存)を組み込んだ数理モデルを作成すると、選択の時間遅れの効果のために振動しながら共存するという結果が得られた。
ところで、喉の色と生活史形質は多面発現でないと言っているが、なぜ連鎖不平衡になるのだろうか? 性選択に関わっているのかとも思うけど、このグループの最近の論文を読めばわかるのだろうか。
学部の時に「既にr選択、K選択という考えは古い」と習ったことを思い出しました。