JC

今日はジャーナルクラブでした。
ScienceのArticle。トウモロコシの開花時間を決めるのは、大きな効果を持つ少数の遺伝子ではなく、小さな効果を持つ多数の遺伝子という話。これはむしろヒトの身長を決める遺伝子なんかに近い。自殖するシロイヌナズナやイネの開花時間を決めるのは大きな効果の少ない遺伝子なので、トウモロコシのこのパターンは他殖するという性質と関連しているのかもしれない。それにしても、5,000系統の組み換え近交系ってすごい…
あとはPNAS。
ハワイのハチの在来種への影響。ハチの作る肉団子からDNAを取って解析すると、在来種が多く含まれていた。更に、コロニーが一年生から多年生になったことで周囲に及ぼす影響が大きくなっているかも。でもこれってplasticityなのか、それともrapid evolution?
トカゲの種分化ミトコンドリア・核・生息地の情報(ニッチ)・頭部の角の形状をもとにspecies complexをなすトカゲを解析したところ、3種に分けられそう。ミトコンドリア系統樹と結果が違うのは、まぁ、遺伝子の系統樹と種の系統樹が違うのはよくある話だよね、きっとたまたまdeep coalescence、という話。


それから最近読んだものは、「共進化の地理的モザイク」で有名なガーターヘビとサメハダイモリの系で、ヘビの耐毒遺伝子が祖先集団からの多型なのか、交雑によって広まったのか、独立起源か、という論文。多型を見るとミトコンドリアと同じ系統樹になるため、独立起源だそうです。
2003年のNature1999年の論文のモデルに空間構造を入れて、環境勾配があるもとでの同所的種分化の検証。中程度の勾配がもっとも分化しやすい。無性生殖の場合はともかく、有性生殖の場合は同型交配がないと種分化しません。