論文

メスの多回交尾の進化

ScienceのREPORTSより。 ショウジョウバエの実験進化。 Drosophila pseudoobscuraでは、利己的な遺伝因子が存在する。 これはメスには影響を及ぼさないが、オスではY染色体を含む精子を壊してしまう。 そのため、この遺伝因子を含む集団では性比がメスに偏る…

古生態から考える保全

ScienceのBrevia。 ガラパゴス諸島では500年ほど前にヨーロッパ人に発見されて以来、長年の間もたらされ続けてきた外来種の駆除が行われている。 しかし、これらの「外来種」は本当にヒトによってもたらされたものなのだろうか? 実際は、ヒトが来る以前から…

ワッセローイ

最近はもうエントリーの題名が思いつきません。 水曜日はジャーナルクラブでした。 Natureはレミングと気候の関係とか、ヨーロッパ人の集団構造。 あと、可逆化ターミネーター法とかアジア人の二倍体ゲノムとか、珪藻ゲノムなんかがありました。 気になるの…

ゾウ

初めて自分がacknowledgmentに載った論文かも。この日のやつです。 studentsってまとめられてるけど。 動物による種子分散は、季節変化する食事内容と移動距離に影響される。 飼育個体の体内通過時間の実験と野生個体のGPS追跡で、種子分散パターンの季節・…

今日の論文

Mitchell-Oldsのシロイヌナズナ総説。 Molecular variation and population structure、Finding the genes underlying trait variation、Natural selection for complex traitsの3部からなる。 Box1でassociation studies、Box2でsequence signaturesを解説…

今日読んだもの

レミングの話。 大発生することで有名なレミングが気候変動により大発生しなくなってきてるとか。 msの論文。 久しぶりに読み直し。 ヒトの常染色体とX染色体の有効集団サイズの比の論文。 こないだのGenome Resのデータベースを使って、比が0.75よりも大き…

今週からJCは水曜日

でした。 掃除魚の話。 掃除魚は一匹よりも二匹の方がサービスの質が良いのです。 数理モデルとフィールド、実験。 集合する甲殻類の化石。 たくさんの個体がつながってる化石が出ました。 おそらく動きやすくなるんじゃないでしょうか。 トゲウオの自然選択…

サクラ

バグ取りの合間にこれを読みました。DNA fingerprintingを用いてソメイヨシノとオオシマザクラ、エドヒガン、そしてオオシマとエドの雑種を調べたら、やっぱりソメイはオオシマとエドの掛け合わせからクローンで広がったっぽいという話。

JC

今週の激熱論文はこれでした。 なぜ牛や鹿は南北を向くのか、ていうかそもそもなんでこんな研究をしようと思ったのか、全ては現在僕がやっているプログラミングのバグと同様、謎という名のベールに包まれています。 それにしても、Google Earthを使って研究…

ここ最近読んだもの。

Bradshaw & Schemske 2003 Nature ゴマノハグサ科ミゾホオズキ属の植物2種では、一遺伝子の変化で花の色が変わる。 その結果、送粉者(マルハナバチとハチドリ)の訪花頻度も変わるという話。 掛け合わせて色違いを作って、フィールドで訪花頻度を観測して…

東大の

入江さんの研究がexcite newsで紹介されていました。 ここ。 それから、鳥学会では学会発表の方法についてのレクチャーが公開されています。 ここ。 参考にさせていただきます。 今日は鵠沼海岸でビーチバレーに行ってきましたが、行き帰りの小田急が長かっ…

八月も終わり

今回のJCは、 Nature, Science, PNAS, PLoS B & G, Genome Research, MBE, TREE です。 Natureでは巨大カンガルー。 タスマニアで見つかった化石により、どうやらカンガルーは人による狩猟で絶滅したっぽいとJ. Diamondが書いている。 もとの記事は今週のPNA…

寄生の話

生態学会誌が届いたので、kgmさんの受賞論文を読みました。 ツボカビが食物網の中で重要な役割を果たしている話。 最近のnatureにも似たような話がありましたが、最近読んだイザベラ・バードの日本奥地紀行 (平凡社ライブラリー)作者: 宮本常一出版社/メーカ…

恒例の

JC。 今回一番熱い話は、間違いなく獣が飲酒する話だと思っていたのだけど、 うちの大学院はそもそも酒が飲める人がほとんどいないので、あまり共感が得られなかったようだ。 花の蜜を酵母がかもした、最大で3.8%のアルコールとは、なかなか美味しそうですね…

葉月

和文原稿、一応目標の10000字近くに行きました。 コメントしていただいた方、ありがとうございました。 それにしても、やはりWordでやると数式が扱いづらいという難点があります。 数式エディタでチルダがうまく表示されないし… なかなかストレスのたまるも…

月に二度の

ジャーナルクラブ。 Science, Nature, PNAS, PLoSのBとG、Trends inのGとEとGenome Research。 2日に紹介した、一年で一世代のカメレオンの話も出ました。 曰く、「脊椎動物としての自覚に欠ける」とか。 Trends inでは、学会にあまり出すぎない方がいい話と…

水曜日はゼミの日。

今週も各自で論文紹介。 Ito & Hino. 2008. Forest Ecology & Management. 階層ベイズの解説をしてみましたが、わかりやすくかつ的確に説明することは難しい… 群集生態の研究ではパス解析がもちいられることが多かったが、パス解析では誤差が正規分布する、…

局所適応と遺伝的浮動

今日はWhitlock. 2008. Molecular Ecology. FSTとQSTは、集団間の分化をはかる指標である。 Fixation index - Wikipediaとかを参考。 FSTはSNPやマイクロサテライトといった分子マーカーをもちいて算出するが、QSTは量的形質の分化の指標。 単純にQSTを形質…

JC

金曜日はジャーナルクラブでした。 いつも思うのですが、僕は論文を読むのが下手だと思います。 軽く読む、とか、要点だけ読む、ってことがなかなかできない。 論文を読むと決めたら、なんとなくイントロからディスカッションまできっちり読まなくちゃいけな…

お昼のゼミ

は、論文紹介。 自分はMBEの今月号に載っていた、コヨーテの集団構造の話。 常染色体、Y染色体のマイクロサテライトとミトコンドリアのマーカーをもちいて調べると、不均質な生息地では分化が進んでいるが、均質な沙漠と草原では集団構造がない。不均質な生…

動物の移動について

アルゴスシステム、GPS、ロガーの発達に伴い、動物の移動についての論文は結構増える傾向にある気がする。 Scienceの特集 先週のNature 問題は得られたデータをどうやってモデリングするかなんだけど、状態空間モデルが注目されているわけだ。 TREEの総説 で…

今週のNature

Articleが熱そうです。 マラリアの性比、インフルエンザゲノム、腸内フローラと炎症の関係とか。 PNASは今週もEcologyがないけど、Evolutionが充実(?) ハエの交尾行動の遺伝的基盤が楽しげでした。

今週のNature & Science

では、「微生物生態学」の特集が熱そう。 ちゃんと読まなきゃ。 従来は培養できないために同定すらできなかった種が、ゲノムを読むことでいろいろわかりそうなのです。 biofilmも勉強しなくちゃと思う今日この頃です。あ、あとホッキョクグマが絶滅危惧種に…

サイエンス続き。

炭と腐葉土。 火事の後の炭化した木本は、二酸化炭素を溜め込みそうなものですが、微生物のすみかともなるので、逆に周囲の腐葉土の分解を促進させ、二酸化炭素を放出するのを助けるそうです。 T rexとマストドン。 化石から取り出したタンパク質を調べるこ…

チンパンジー分集団

PLoS Geneticsの四月号。 マカク、オランウータン、ヒト、ボノボ、チュウオウチンパンジー、ニシチンパンジー、ヒガシチンパンジーのalignmentから祖先集団サイズと種分化の時期を推定してます。 売りは今までより多いデータサイズと、チュウオウとニシ3頭…

水銀と生物濃縮

読みやすいので、今週のScienceのBrevia。 今回の調査値はあの「耳をすませば」で出てきたcountry roadで名高いVirginiaのthe Shenandoah River。 ここでは水銀が流れ出しているらしく、流出地より下流の汚染域とそれ以外の場所で鳥類の血と羽に含まれている…

紀要など

柔道の青い道着は勝率を上げるか? Natureに載ったという論文を否定するProceedings of the royal society B biological scienceの話。 2004年のオリンピックで青い柔道着の方が勝ちやすい傾向があり、これが白の方が動きが見やすいし、青の方が相手を威嚇す…

現実逃避

ScienceやNatureのNewsを読んでみたり・・・ scandal!。 ワムシの一種が無性生殖するのは、過酷な環境下でのDNAの損傷をおさえることに有利なためだとか。 貝形虫ではメスだけだと思われたものにオスが見つかったりしたらしい。トドの話。 アメリカの西側で…

今週のScience

ついに話題の論文がritractになりました。 これ。 把握している範囲では、 2004年の論文で、selective sweepが見つかったということになったけど、 2007年の論文でerrorじゃない?って言われ、 今年の論文と今週のにつながったのかと思ってたんですが、こん…

論文紹介。 PNASを「ピーナス」と呼ぶたびに誰かに叱られるので、ついに「ぴーえぬえいえす」と呼ぶことにしました。 長い。 魚と草について。